鈴木章賞

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2025年鈴木章賞の受賞者を下記の通り発表いたします。

2025年アキラ・スズキ・アワード:

Jin-Quan Yu 教授(ジン=クアン・ユー、スクリプス研究所

2025年アイクレッド・アワード:

Emily A. Carter 教授(エミリー・A・カーター、プリンストン大学

おめでとうございます。受賞者の詳細は「受賞者」のタブでご参照ください。

 

第5回鈴木章賞の授賞式は202510月16日(木)に、第9ICReDD国際シンポジウムと合わせて開催予定です。授賞式の詳細や登録方法に関しては後日公開の国際シンポジウムのウェブサイトにてご案内いたします。

鈴木章賞は、北海道大学名誉教授 鈴木章先生の卒寿を記念するとともに、2010年ノーベル化学賞受賞の功績を称え、2021年に鈴木章賞組織委員会によって創設されました。
本賞は、広義の化学反応の発見に関する研究への顕著な貢献を表彰し、科学技術の発展に寄与することを目的としています。

鈴木章賞に設けられた「アキラ・スズキ・アワード」と「アイクレッド・アワード」の2つの賞は、実験化学分野(アキラ・スズキ・アワード)および,計算(理論)化学・情報科学分野(アイクレッド・アワード)において、化学反応開発に顕著な功績を収めた研究者に授与されます。各賞は、年齢・国籍を問わず毎年1名に贈られます。
毎年、授賞式および受賞講演会を開催し、受賞者には副賞としてメダルと賞金が贈呈されます。

 

2024 鈴木章賞受賞者を、鈴木章 名誉教授と共にお祝いしました!

鈴木章先生

鈴木章先生は、1930年9月12日、北海道でお生まれになりました。

1954年北海道大学理学部化学科をご卒業後、1956年同大学院理学研究科修士課程を修了、1960年に同博士課程を修了され、1961年同工学部合成化学工学科にて助教授、1973年より同応用化学科教授を務められ、1994年定年退官,北海道大学名誉教授となられました。

ご退官後は、1994年岡山理科大学教授、1995年から2002年まで倉敷芸術科学大学教授を務められ、この間、2001年に米国パデュー大学招へい教授、以降も北海道大学を含む国内外の様々な大学にて招へい教授、名誉教授となられ、2015年には、世界的に極めて顕著な教育研究業績を挙げた研究者のうち、長期にわたり北海道大学の教育研究の進展に寄与すると認められた者に与えられる北海道大学ユニバーシティプロフェッサーの称号を授与されました。

1963年からの2年間、米国パデュー大学の H. C. Brown研究室に博士研究員として、有機ホウ素化合物の合成と利用に関する研究に従事し、帰国後もこの分野をさらに発展させ多くの卓越した業績を挙げておられます。中でも1979年に報告された、パラジウム触媒を用いる有機ホウ素化合物のクロスカップリング反応は有機合成化学のみならず、触媒化学や材料科学などの広い分野に多大な影響を及ぼした研究であり、2010年ノーベル化学賞の受賞理由となった「鈴木カップリング」反応は、医薬や農薬、IT機器に不可欠な液晶、有機ELなど、私たちの生活に身近な製品の開発や量産化に大きな貢献を果たしています。

受賞者

2025年鈴木章賞 受賞者

アキラ・スズキ・アワード:

Jin-Quan Yu 教授
(ジン=クアン・ユー、スクリプス研究所

略歴

ジン=クアン・ユーは、上海の南西に位置する中国浙江省の山間部出身。中国科学院・上海有機化学研究所の訪問学生としてLi-Xin Dai 教授とBi-Qi Wu教授の指導をうけ、1987年に華東師範大学にて化学の学士を修める。翌年、上海有機化学研究所にて1年間のコースを修了したのち、中国科学院・広州化学研究所Shu-De Xiao教授のもと、テルペン化学および不均一系触媒の研究で1990年修士号を取得。続く4年間を研究員として同研究所に在籍したのち、ケンブリッジ大学博士課程にてJ. B. スペンサー教授のもと、生合成および不斉水素化反応におけるヒドロメタル化ステップの機構的研究を行った。

1998年、ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジのジュニアリサーチフェロー。2001年から2002年はハーバード大学のE. J. コーリー教授のもとで博士研究員としてパラジウム触媒によるアリル位酸化反応の研究に取り組む。2002年ケンブリッジ大学に戻り、翌2003年、英国王立協会の大学研究フェローシップに採択され、不斉C-Hメタル化反応の開発に向けて独立した研究を開始した。2004年、ブランダイス大学助教。2007年、スクリプス研究所准教授、2010年8月より教授。2012年、スクリプス研究所フランク&バーサ・ハップ化学教授に就任。

2012年向山賞。2013年レイモンド&ビバリー・サックラー物理化学部門賞。2014年イライアス・コーリー賞、2016年マッカーサーフェローシップ、2017年ペドラー賞、2022年ガボール・ソモライ賞、2023年ハーバード大学ティシュラー賞、2024年東京大学 山田-古賀賞、2024年アメリカ化学者協会化学パイオニア賞、およびアメリカ化学会ノースジャージー支部クリエイティビティ分子設計・合成部門賞。

アイクレッド・アワード:

Emily A. Carter 教授
(エミリー・A・カーター、プリンストン大学

略歴

エミリー・A・カーターは、学者・教育者(プリンストン大学 初代アンドリンガー教授(エネルギー環境))、およびビジョナリー・リーダーとしても高名である(プリンストン大学アンドリンガー・エネルギー環境センター創設取締役、プリンストン大学工学・応用科学部長、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)副学長・理事を経て、現在はプリンストン・プラスマ・フィジックス研究所にてシニア戦略アドバイザー兼、材料応用・サステナビリティ・サイエンスラボラトリーのアソシエイトディレクター)。彼女の研究領域は化学、材料科学、機械・航空宇宙工学、そして応用計算数理/物理学に亘る。彼女はまた、材料および持続可能エネルギーと炭素排出量削減のプロセス設計を可能にする量子シミュレーション技術の開発と応用のパイオニアである。彼女はこれまでに475本以上の共著論文、特許、コードを発表、また、100名近くの博士研究員と博士後期課程学生を指導してきた。また、世界各地での招待講演、基調・総会講演は600件以上に及ぶ。栄誉・受賞歴については、米国科学アカデミー、アメリカ芸術科学アカデミー、全米発明家アカデミー、全米技術アカデミー、ヨーロッパ科学アカデミー、英国王立協会の海外メンバーを含む、数々のアカデミー会員に選出されている。彼女は戦略的に専門分野の知識と技術を外部法人等へ提供しており、相手先には全米アカデミーズ(直近では議会が定める炭素活用に関する3年間の研究を主宰)から私立のサイエンス基金(サイモンズ財団の太陽光マネジメント部門の立ち上げ、およびカブリ財団取締役)、連邦政府(複数の国立研究所の相談役、審査委員会のメンバー)、民間企業への助言(直接海洋回収企業の科学諮問委員会・委員長)などがある。

 

過去の受賞者

アキラ・スズキ・アワード
2024年 – Gregory C. Fu(カリフォルニア工科大学)
2023年 – Erick M. Carreira(スイス連邦工科大学(ETH)チューリッヒ校)
2022年 – John F. Hartwig(カリフォルニア大学バークレー校)
2021年(初代)- Stephen L. Buchwald (マサチューセッツ工科大学)

アイクレッド・アワード

2024年 – Alán Aspuru-Guzik(トロント大学)
2023年 – Frank Neese(マックス・プランク石炭研究所)
2022年 – Kendall N. Houk(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
2021年(初代)- David J. Wales (ケンブリッジ大学)

組織

受賞者の選考は、鈴木章賞組織委員会の委員長が委嘱した国内外の有識者で構成される各選考委員からの推薦に基づいて行われます。選考委員からの推薦は、鈴木章賞組織委員会で検討され、最終的に受賞者が決定されます。

鈴木章賞 組織委員会

委 員 長:澤村 正也(北海道大学 教授)
副委員長:武次 徹也(北海道大学 教授)
     伊藤 肇(北海道大学 教授)
     佐藤 美洋(北海道大学 教授)
     前田 理(北海道大学 教授)
     小松﨑 民樹(北海道大学 教授)

アキラ・スズキ・アワード選考委員

Timothy F. Jamison(マサチューセッツ工科大学 教授)
Bernhard Breit(フライブルク大学 教授)
Benjamin List (マックス・プランク石炭研究所 教授/ICReDD主任研究者、特任教授)
澤村 正也(北海道大学 教授)
伊藤 肇(北海道大学 教授)
佐藤 美洋(北海道大学 教授)

アイクレッド・アワード選考委員

Michael Rubinstein(デューク大学 教授/ICReDD主任研究者)
Alexandre Varnek(ストラスブール大学 教授/ICReDD主任研究者)
佐藤 啓文(京都大学 教授)
武次 徹也(北海道大学 教授)
前田 理(北海道大学 教授)
小松崎 民樹(北海道大学 教授)
長谷川 淳也(北海道大学 教授)

お問い合わせ

鈴木章賞に関するお問い合わせはこちらまで:

event[at]icredd.hokudai.ac.jp

アキラ・スズキ・アワードとアイクレッド・アワードは東ソー株式会社からの協賛金にて運営されています。