鈴木章賞

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2024年鈴木章賞の受賞者を下記の通り発表いたします。

 

2024年アキラ・スズキ・アワード:

Gregory C. Fu 教授

(グレゴリー・C・フー、カリフォルニア工科大学

 

2024年アイクレッド・アワード:

Alán Aspuru-Guzik 教授

アラン・アスプル=グジック、トロント大学

おめでとうございます。受賞者の詳細は「受賞者」のタブでご参照ください。

回鈴木章賞の授賞式は20241022日(火)に、第8ICReDD国際シンポジウムと合わせて開催予定です。授賞式の詳細や登録方法に関しては後日、国際シンポジウムのウェブサイトにてご案内いたします。

鈴木章賞は、北海道大学名誉教授 鈴木章先生の卒寿を記念するとともに、2010年ノーベル化学賞受賞の功績を称え、2021年に鈴木章賞組織委員会によって創設されました。
本賞は、広義の化学反応の発見に関する研究への顕著な貢献を表彰し、科学技術の発展に寄与することを目的としています。

鈴木章賞に設けられた「アキラ・スズキ・アワード」と「アイクレッド・アワード」の2つの賞は、実験化学分野(アキラ・スズキ・アワード)および,計算(理論)化学・情報科学分野(アイクレッド・アワード)において、化学反応開発に顕著な功績を収めた研究者に授与されます。各賞は、年齢・国籍を問わず毎年1名に贈られます。
毎年、授賞式および受賞講演会を開催し、受賞者には副賞としてメダルと賞金が贈呈されます。

2024 鈴木章賞受賞者を、鈴木章 名誉教授と共にお祝いしました!

鈴木章先生

鈴木章先生は、1930年9月12日、北海道でお生まれになりました。

1954年北海道大学理学部化学科をご卒業後、1956年同大学院理学研究科修士課程を修了、1960年に同博士課程を修了され、1961年同工学部合成化学工学科にて助教授、1973年より同応用化学科教授を務められ、1994年定年退官,北海道大学名誉教授となられました。

ご退官後は、1994年岡山理科大学教授、1995年から2002年まで倉敷芸術科学大学教授を務められ、この間、2001年に米国パデュー大学招へい教授、以降も北海道大学を含む国内外の様々な大学にて招へい教授、名誉教授となられ、2015年には、世界的に極めて顕著な教育研究業績を挙げた研究者のうち、長期にわたり北海道大学の教育研究の進展に寄与すると認められた者に与えられる北海道大学ユニバーシティプロフェッサーの称号を授与されました。

1963年からの2年間、米国パデュー大学の H. C. Brown研究室に博士研究員として、有機ホウ素化合物の合成と利用に関する研究に従事し、帰国後もこの分野をさらに発展させ多くの卓越した業績を挙げておられます。中でも1979年に報告された、パラジウム触媒を用いる有機ホウ素化合物のクロスカップリング反応は有機合成化学のみならず、触媒化学や材料科学などの広い分野に多大な影響を及ぼした研究であり、2010年ノーベル化学賞の受賞理由となった「鈴木カップリング」反応は、医薬や農薬、IT機器に不可欠な液晶、有機ELなど、私たちの生活に身近な製品の開発や量産化に大きな貢献を果たしています。

受賞者

2024年鈴木章賞 受賞者

アキラ・スズキ・アワード:

Gregory C. Fu
(グレゴリー・C・フー、カリフォルニア工科大学

略歴

グレゴリー・C・フー教授は、1985年マサチューセッツ工科大学(MIT)にてK・バリー・シャープレス教授の下、学士号を取得。1991年ハーバード大学でデビッド・A・エバンス教授の指導のもと博士号を取得後、カリフォルニア工科大学(Caltech)のロバート・H・グラブス教授のもとで2年間博士研究員を務めた。1993年にMITに戻り、1993年から2012年の間に助教、准教授、教授をまで務めた。2012年、カリフォルニア工科大学のアルテア化学教授に就任。現在はカリフォルニア工科大学のノーマン・チャンドラー化学教授。

現在の研究テーマは、金属触媒によるカップリング反応とキラル触媒の設計である。特に、ニッケル触媒を用いたアルキル求電子剤のエナンチオ選択的クロスカップリング反応や、銅触媒を用いた光誘起炭素-ヘテロ原子結合形成反応の開発に注力している。

2004年アメリカ化学会(ACS)コリー賞、2006年日本有機合成化学協会(SSOCJ)向山賞、2012年ACS創造的有機合成化学賞、2018年ACS H.C.ブラウン賞、2022年SSOCJ野依賞を受賞。2007年アメリカ芸術科学アカデミー会員、2014年アメリカ科学アカデミー会員。

アイクレッド・アワード:

Alán Aspuru-Guzik
アラン・アスプル=グジック、トロント大学

略歴

アラン・アスプル=グジックはトロント大学の教授(化学部および計算科学部)であり、カナダ150リサーチ・チェアプログラムにおける理論化学分野主任、かつカナダをベースとする国際研究組織CIFARのヴェクター研究所においてAI主任を務める。

CIFARレボヴィック・フェローとして、脱炭素加速化プログラムを共同運営。また、Googleインダストリー・リサーチにおいて量子コンピューティング主任も務める。トロント大学を拠点とする戦略的イニシアティブとしてThe lab of the future(科学研究をより迅速に進めるための、データを中心としたラボ)関連の前競争的な研究トピックに携わる産官学の研究者を集めたアクセラレーション・コンソーシアムのディレクターである。

2006年にハーバード大学で研究者としてのキャリアをスタートし、2013年から2018年までハーバード大学にて教授を務めた。1999年にメキシコ国立自治大学(UNAM)で学士号、2004年にカリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得し、2005年から2006年まで同大学で博士研究員も務めた。

主たる研究分野は、量子情報、機械学習、化学間のインターフェースに関するものであり、化学系専用の量子コンピュータと量子シミュレータのアルゴリズム開発と実験的実装のパイオニア。光合成複合体における励起子エネルギーの移動における量子コヒーレンスの役割を研究し、有機半導体、有機光起電力、有機電池、有機発光ダイオードの計算によってその発見を加速させた。分子特性の自動学習のための分子記述子と生成モデルにも取り組み、現在は、科学的発見を加速するための自動化と「自律的」化学実験室に関心を寄せている。

Google Focused Award量子コンピューティング部門、スローン財団からスローン・リサーチフェロー、カミーユ&ヘンリー・ドレフュス財団Teacher-Scholar賞、また、MITテクノロジー・レビュー誌の35歳以下のベスト・イノベーターに選ばれている。アメリカ物理学会フェロー、アメリカ科学振興協会(AAAS)フェローに選出され、アメリカ化学会からは理論化学部門のEarly Career Awardを受賞している。Maclean’s誌の「2024年最もパワフルなカナダ人トップ100」のAI部門に選出。

Digital Discovery誌編集長、量子コンピューターソフトウェア企業Zapata AIをはじめ、Kebotix、Intrepid Labs、Axiomatic AIの共同設立者でもある。

過去の受賞者

アキラ・スズキ・アワード
2023年 – Erick M. Carreira(スイス連邦工科大学(ETH)チューリッヒ校)
2022年 – John F. Hartwig(カリフォルニア大学バークレー校)
2021年(初代)- Stephen L. Buchwald (マサチューセッツ工科大学)

アイクレッド・アワード
2023年 – Frank Neese(マックス・プランク石炭研究所)
2022年 – Kendall N. Houk(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
2021年(初代)- David J. Wales (ケンブリッジ大学)

組織

受賞者の選考は、鈴木章賞組織委員会の委員長が委嘱した国内外の有識者で構成される各選考委員からの推薦に基づいて行われます。選考委員からの推薦は、鈴木章賞組織委員会で検討され、最終的に受賞者が決定されます。

鈴木章賞 組織委員会

委 員 長:澤村 正也(北海道大学 教授)
副委員長:武次 徹也(北海道大学 教授)
     伊藤 肇(北海道大学 教授)
     佐藤 美洋(北海道大学 教授)
     前田 理(北海道大学 教授)
     小松﨑 民樹(北海道大学 教授)

アキラ・スズキ・アワード選考委員

Timothy F. Jamison(マサチューセッツ工科大学 教授)
Bernhard Breit(フライブルク大学 教授)
Benjamin List (マックス・プランク石炭研究所 教授/ICReDD主任研究者、特任教授)
澤村 正也(北海道大学 教授)
伊藤 肇(北海道大学 教授)
佐藤 美洋(北海道大学 教授)

アイクレッド・アワード選考委員

Michael Rubinstein(デューク大学 教授/ICReDD主任研究者)
Alexandre Varnek(ストラスブール大学 教授/ICReDD主任研究者)
佐藤 啓文(京都大学 教授)
武次 徹也(北海道大学 教授)
前田 理(北海道大学 教授)
小松崎 民樹(北海道大学 教授)
長谷川 淳也(北海道大学 教授)

お問い合わせ

鈴木章賞に関するお問い合わせはこちらまで:

event[at]icredd.hokudai.ac.jp

アキラ・スズキ・アワードとアイクレッド・アワードは東ソー株式会社からの協賛金にて運営されています。