ヘミングウェイジャック博士研究員からのコメント

反応経路探索法であるAFIRの活用に関する論文をいくつか読み、自分自身の研究、とりわけ、反応機構が完全にクリアになっていない実験結果を説明するものとして、AFIRがとても役に立つと考え、MANABIYAに応募しました。私は前田教授のグループに受け入れられ、林特任准教授の指導のもとAFIR法を学び、それを私が取り組んでいた反応に実際に応用してみました。北大では美多教授が私を歓迎してくれ、美多グループと前田グループメンバーの皆さんがいつでも相談に乗ってくれる環境で、札幌での滞在期間中、いつも温かく迎えられていると感じさせてくれました。

北大での2か月の間、私は、自分の研究課題に実際にAFIR法を活用してみることでAFIR法の使い方とその価値についての理解を大いに深めました。そこで私が得た結果は、興味深い反応への考察を生み出すまでに及び、これはAFIR法なしでは成し得なかったであろうと思います。英国に帰ってからも引き続きAFIR法を使うのが楽しみで、反応経路探索を終え次第その結果を論文として発表できればと考えています。特に印象的だったのは、GRRMパッケージの中で提供されている、特定の課題に適した計算の選択肢の多さです。さらに北大内で開かれる多種多様なセミナーや講演会へ出席できる機会や、研究について議論できる交流会などもとても有益でした。

北海道訪問はまた、私にとっては初めての日本訪問であり、可能な限り日本文化を経験してみようと意気込んでいました。今回の旅のハイライトは、ラーメンやスープカレー、そしてもちろん寿司に至るまで、すべての美味しい食文化を楽しんだことです。週末は札幌の名所を探検しながら、自分の趣味であるランニングを行う時間もたっぷりありました。私はよく豊平川沿いから真駒内公園まで向かい、中島公園を通って北大キャンパスまでのコースを走っていました。休日は東京旅行をすることもでき、忘れられない経験となりました。

MANABIYAを検討している皆さんには強く応募をお勧めします。MANABIYAのプログラムは、科学的に非常に価値のある経験ができることはもちろん、MANABIYAへの参加自体が札幌を訪れるための素晴らしい理由ともなるからです。私の北海道滞在を楽しいものにするために尽力してくれた方々 ―滞在にかかる手続きを手伝ってくれた事務スタッフ、受け入れてくれた研究グループのメンバーの皆さま、そして私の研究を支えてくれた教授陣― に感謝いたします。