私は学生時代からの友人である美多先生からMANABIYA応募開始の知らせを受け、それをきっかけに2024年2月下旬、MANABIYAに参加する機会を得ました。この時期は大雪に見舞われ、雪靴が必須な環境での挑戦となりました。私の場合、仕事やプライベートの都合もあり、2週間で東京-札幌を2往復するというハードスケジュールでの参加となりましたが、それでも得られる学びへの期待を胸に臨みました。
MANABIYAでは、普段の環境とは異なり、教員と学生の間に立場の壁がなく、自由で健全な議論が交わされる場が広がっていました。このような議論ができる環境は私にとって夢のようであり、大変刺激を受けました。また、美多先生や林先生をはじめ、様々な方々と昼食を共にし、学術的な話題だけでなく楽しい交流の時間も持てたことは、プログラムの思い出として印象に残っています。さらに、短い滞在期間にも関わらず、歓送迎会を開いていただいたことには心から感謝しています。
今回のプログラムでは、私が研究している遷移金属触媒反応に対し、AFIRのManualとSC-AFIRという2つのタイプについて学びました。これにより、効率的な遷移状態(TS)探索が可能であることを深く理解することができました。特にSC-AFIRでは計算レベルの工夫が求められるものの、計算によって提示された生成物の結果が実際の反応と一致した際には、大変感動を覚えました。このような学びを得ることで、自分の研究に新たな視点を取り入れることができました。
プログラム終了後もオンラインを通じてフォローを受ける機会をいただき、MANABIYAで取り組んだ研究テーマを無事に論文として成果を形にすることができました。このように、短期間で濃密な学びと成果を得ることができたのは、素晴らしいサポート体制と充実した環境のおかげです。また、ワークステーションとGRRMライセンスを購入し、独自に研究を進められる環境を整備しました。これにより、さまざまな研究に活用できるようになりました。GaussianはMANABIYA参加前から私自身で使用していましたが、GRRMを利用することで、複雑な遷移構造の計算が効率化され、現在ではGRRMなしの研究は考えられないほどです。
MANABIYAでの経験は、私にとってかけがえのないものとなりました。この場をお借りして、前田先生、美多先生、山田さん、神名さんをはじめ、プログラムに関わってくださったすべての方々に深く感謝申し上げます。この経験を糧に、今後もさらなる挑戦を続けていきたいと思います。