下記は東海国立研究機構名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子 研究所(WPI-ITbM)、自然科学研究機構分子科学研究所と北海道大学化学反応創成研究所(WPI-ICReDD)との共同プレスリリースからの引用です。
【ポイント】
・「カーボンナノベルト」に、更にひねりが加わった最難関分子を合成。
・スーパーコンピュータを用いて「ひずみ」を解析し合成可能な分子サイズを特定。
・表と裏の区別がないことや、右ひねりと左ひねりの鏡像関係が生まれるなど、メビウスの輪がもつ幾何学的特徴を実験的に実証。
【研究の内容】
今回、メビウスの輪の形状をもつ分子ナノカーボン「メビウスカーボンナノベルト」を合成することに成功しました。メビウスの輪は、帯を半分ひねって環状につないだ形で、裏と表の区別のない特異なトポロジー構造として知られています。この構造をもつ分子ナノカーボンは古くから興味をもたれていましたが、環状構造とひねりの両方からなる大きなひずみを克服する合成法がなかったために、これまで報告はありませんでした。2017年に本研究グループらは「カーボンナノベルト」と呼ばれるベルト状の分子ナノカーボンの合成に成功しており、この手法をさらに発展させることでメビウス構造を構築できる可能性が生まれました。
図1:カーボンナノベルトおよびメビウスカーボンナノベルトの構造と、対応する幾何学構造。
本プレスリリースの詳細はこちら。