研究

プレスリリース 空中超音波で液滴をジャンプさせるマイクロ流体操作基盤を開発

以下は筑波大学との共同プレスリリースからの引用です。

科学実験の自動化・高速化において、ピコリットル〜マイクロリットル程度の少量の液体(液滴)を並列的に扱う必要が生じる場合があります。また、液滴を空間的に離れた基盤装置・容器へ移動させる際には、液滴をジャンプさせる必要がありますが、平面上で液滴を操作するデジタルマイクロ流体技術では、最大で5 mm程度の高さに限られていました。

本研究では、超音波の遠隔力(音響放射力)を利用して液滴を操作する新たなマイクロ流体基盤を開発しました。撥水加工を施したメッシュを用いると、音波を透過させつつ、液滴を支えることができ、空中でも音圧が高いところに液滴が引き寄せられる性質があることを見いだし、超音波ビームによってメッシュ上の液滴の操作が可能になりました。

これにより、液滴のジャンプの高さは最高で128 mmにまで達します。ジャンプする方向も制御できるため、液滴を隣の装置や別の段に移動させることも可能だと考えられます。また、デジタルマイクロ流体基盤に必要な基本的な機能として、複数の液滴の水平移動、合体、分割を実現しました。さらに、科学実験への適用例として、この基盤上で鈴木・宮浦クロスカップリング反応を実施するとともに、生物実験にも適していることを示しました。

本研究成果により、立体ディスプレイや実験自動システムなどの開発が期待されます。

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