概要
化学反応の収率を予測する人工知能(AI)は近年発展していますが、多くは「なぜそう予測できるのか」という反応の仕組み(反応機構)までは説明できませんでした。
京都大学化学研究所 道場貴大 助教、北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD) 前田理 教授らの研究グループは、反応の途中に現れる多数の中間体のエネルギーを入力(記述子)として用いることで、収率を高い精度で予測しつつ、反応機構まで読み解ける「解釈可能なAIモデル」を構築しました。
反応経路を自動で網羅的に探索する独自の計算手法(SC-AFIR法)、ロボットによる自動実験、線形回帰を組み合わせた手法です。パラジウム触媒による炭素-水素結合の変換反応に適用し、未知の配位子の収率を平均誤差約6%で予測し、収率を左右する重要な中間体を特定できることを示しました。
本成果は、反応の最適化や機構解明を予測と理解の両面から支える新しい枠組みになると期待されます。
本研究成果は、2026年6月19日に米国の国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載されました。
