研究

MANABIYA 成果 Pt(II) キラルジエン触媒を用いた、Pt(II)/Pt(IV) サイクル反応機構によるエナンチオ選択的な[4+2]付加環化

MANABIYAシステムは他研究機関、他大学、企業の研究者が短期間にICReDDに滞在して、研修と共同研究をするプログラムです。下記の論文には著者である西部さんがMANABIYAシステムに参加して出した成果が含まれています。西部さんはMANABIYAシステムにおいて、2020年の8~9月の間6週間 ICReDDに滞在し、前田教授の下で、人工力誘起反応法(AFIR法)を用いることで、自身が研究している化学反応のメカニズムをより明確にしました。西部さんは当時早稲田大学 先進理工学研究科 化学・生命化学専攻、柴田研究室の修士課程1年生でした。

早稲田大学と ICReDD の研究者がキラルジエンを配位子とする白金触媒を用いることで、ビフェニレンとアルキンのエナンチオ選択的な分子内[4+2]付加環化反応の開発に成功しました。量子化学計算の結果によると、この化学反応はPt(II)/Pt(IV)サイクルを含む機構で進行することがわかりました。このような白金-キラルジエン錯体を用いた不斉触媒反応のメカニズムを明らかにしたのは初めてのことです。

詳細は、柴田高範、西部駿、前田理らによる論文(DOI:10.1039/D1QO01467F )に掲載されています。