研究

計算科学主導によるエチレンガスダブル官能基化反応

ICReDDの研究グループは、人工力誘起反応法(AFIR 法)を用いることで、エチレンの両末端に同時に2つの官能基を導入するダブル官能基化反応の開発に成功しました。

本研究では、合成化学実験に先立ちAFIR法によりラジカル種とエチレンとの反応に関する反応経路探索を網羅的に探索し、窒素、および硫黄ラジカルが効率良くエチレンと反応することを計算化学的に見出しました。この計算結果に基づき実験を行ったところ、青色LED照射下光触媒を用いることで、エチレン2分子を組み込む新しいラジカルダブル官能基化反応の開発に成功しました。

本反応は、世界中で大量に供給されているエチレンガス(ナフサのクラッキングやシェールガスからの合成)に対して、ラジカル的に2つの異なる官能基を導入することができる非常に優れた方法です。

詳細は、髙野秀明、ユウ・ヨン、前田理、美多剛らによる論文(DOI: 10.1021/acsomega.1c05102)に掲載されています。