研究

MANABIYA 成果 実験的かつ理論的なアプローチによる立体的に混み合っているエチレン類のリングフリップメカニズム解明

MANABIYAシステムは他研究機関、他大学、企業の研究者が短期間ICReDDに滞在して、研修と共同研究を行うプログラムです。下記の論文には著者である田所朋樹さんがMANABIYAシステムに参加して出した成果が含まれています。田所さんはMANABIYAシステムにおいて、2021年の3月の4週間 ICReDDに滞在し、前田教授の下で、人工力誘起反応法(AFIR法)を用いることで、自身が研究している分子のリングフリップ過程の中間体の構造を含めた構造変化メカニズムを解明しました。田所さんは北海道大学大学院理学研究院・鈴木孝紀教授と石垣侑祐准教授の下で研究しており、当時学士課程4年生でした。現在は同総合化学院の修士課程1年生です。

特定の刺激を受けて構造が変わる分子は分子デバイスの開発に応用可能な素材として注目されています。今回の研究では、立体障害のある置換基を導入することで、アントラキノジメタン誘導体のリングフリップ過程を遅くすることができ、実験的に活性化エネルギーを測定することに成功しました。さらに、北海道大学とICReDDの研究者が協働することで分子のリングフリッピング過程の構造変化を実験的かつ理論的に分析し、人工力誘起反応法(AFIR法)を利用することによりリングフリッピング過程の中間体の構造を明らかにしました。

詳細は石垣侑祐、田所朋樹、原渕祐、林裕貴、前田理、鈴木孝紀らによる論文(DOI:10.1246/bcsj.20210355)に掲載されています。