MANABIYA修了者から寄せられた感想やインタビューをご紹介します。
(一部英語のみのコンテンツがございます)
FY2024
リュウ・サン [劉 燦](北海道大学 博士研究員、日本)
このMANABIYAプロジェクトにおいて、私はVASPを用いて、STMの実験結果を説明するための分子間相互作用エネルギーと拡散経路の計算を行いました。以前、Gao Min准教授と成功した共同研究を行った経験があり、今回の新しい研究について議論した際に、このMANABIYAシステム活用することを勧められました。そのため今回応募し、学びの機会を得ることができました。ICReDDの高性能なサーバー、完璧な計算支援、そして共同研究者の素晴らしい指導と支援のおかげで、無事にプロジェクトを完了することができました。この成果は近々、論文として投稿される予定です。特に、Gao准教授、Shen博士、原渕准教授、そして美多教授の支援に感謝の意を表します。
ロウ・マシュー(ニューキャッスル大学 博士課程、イギリス)
私が初めてMANABIYAプログラムについて知ったのは、伊藤教授が私の大学を訪問して講演を行った時のことでした。このプログラムに応募したのは、メカノケミストリーの分野で伊藤研究室と共同研究を行うためであり、私は2か月間伊藤教授の研究室で研究する機会を得ました。
北海道大学での滞在中、伊藤教授と久保田准教授の指導のもとで、メカノケミストリーについて非常に多くのことを学びました。また、プロジェクトのために質の高いデータをたくさん収集することができ、これらの結果をインパクトのある学術誌に発表することを目指しています。また、ICReDD国際シンポジウムでこれまでの研究成果を発表する機会も得ました。これは、私の成長にとって非常に貴重な経験でした。>>続きを読む
山口 英士(岐阜薬科大学 講師、日本)
2024年7月末、私は猛暑が続く岐阜を離れ、涼しい新千歳空港へと降り立ちました。これまでにも北海道を訪れたことはありましたが、今回は特にその気温差に驚かされました。日本国内でありながら、まるで別の国に来たような感覚です。快適な気候の中で一夏を過ごせるという期待感に、自然と気分が高まったことを覚えています。
今回の北海道滞在は、MANABIYAというプログラムに参加するためでした。このプログラムは、日本だけでなく世界中から学生や教員が集まるもので、その年の学会で美多教授が熱心にプロモーションをしていたことがきっかけで知りました。当時、私の研究には計算化学的な解決が必要だと感じており、参加を決めました。
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ヘミングウェイ・ジャック
(ニューキャッスル大学 博士研究員、イギリス)
反応経路探索法であるAFIRの活用に関する論文をいくつか読み、自分自身の研究、とりわけ、反応機構が完全にクリアになっていない実験結果を説明するものとして、AFIRがとても役に立つと考え、MANABIYAに応募しました。私は前田教授のグループに受け入れられ、林特任准教授の指導のもとAFIR法を学び、それを私が取り組んでいた反応に実際に応用してみました。北大では美多教授が私を歓迎してくれ、美多グループと前田グループメンバーの皆さんがいつでも相談に乗ってくれる環境で、札幌での滞在期間中、いつも温かく迎えられていると感じさせてくれました。
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FY2023
重久 浩樹(武蔵野大学 講師、日本)
私は学生時代からの友人である美多先生からMANABIYA応募開始の知らせを受け、それをきっかけに2024年2月下旬、MANABIYAに参加する機会を得ました。この時期は大雪に見舞われ、雪靴が必須な環境での挑戦となりました。私の場合、仕事やプライベートの都合もあり、2週間で東京-札幌を2往復するというハードスケジュールでの参加となりましたが、それでも得られる学びへの期待を胸に臨みました。>>続きを読む
リプトロット・デヴィッド
(バース大学 シニア講師・Royal Society University Research Fellow、イギリス)
ある学会でICReDDの優れた研究成果を知ったことをきっかけに、MANABIYAに参加しました。化学反応発見のためのAFIR法を学びたいと思い、前田教授ならびに美多教授のグループ両方に参加しましたが、参加後すぐにAFIR法の素晴らしさに深く感心し、自分の研究グループで進行中の研究にも取り入れたいと思いました。滞在中は、多くの研究者の皆さんから丁寧なサポートをいただき、AFIR法を徹底的に理解することができました。5週間という短い滞在期間ながらも、ここで得た結果は、すでに外部資金の獲得に直接繋がっています。また、この結果に基づいた化学合成に関する論文を近いうちに発表できそうです。>>続きを読む
松原 希宝(群馬大学 博士課程、日本)
2022年及び2023年の2回にわたるMANABIYAでの研究活動では、GRRMの使い方からはじまり、GRRMをどのように活用して研究を推進していくのかを学び・議論することができ、とても充実した時間を過ごすことができました。このような稀有な環境で研究することは、自身の研究姿勢を刺激するものであり、非常に有意義な時間であったため、2023年も参加を決意しました。2023年の滞在では、自身の研究を遂行するだけでなく、ICReDDが主催するシンポジウムや講演会に参加することができ、自身の人脈を大きく広げることもできました。このように最先端の研究が行われている研究機関での活動に積極的に参加できることも、MANABIYAの大きな魅力の一つだと思います。本活動を行うため、前田教授、原渕特任准教授をはじめ、前田研究室の学生の皆様には本当にお世話になりました。さらに、2023年度は実験活動を取り入れるために、美多教授と林特任助教、そして美多グループの皆様の多大なる協力に感謝いたします。
キム ナムヒ(延世大学校 博士課程、韓国)
ICReDDでの経験は、自分が進めたい研究を追求するのに最適なものでした。私にとってMANABIYAの良いところは、単結晶X線構造解析装置や示差走査熱量計などの優れた研究設備や分析機器が揃った環境で、研究分野の専門家たちと一緒に研究ができたことです。ICReDDのラボ同士で試薬や機器を自由に共有していることも大変ありがたく、そのような環境の中で、分子ローターの結晶化など、さまざまな新しい技術を学ぶことができました。また、周囲の人々が温かく迎えてくださり、クリスマスパーティーなどの交流イベントを楽しんだり、事務的な面でも多大なサポートをしていただいたおかげで、MANABIYAでの滞在期間中は不安を感じることなく過ごすことができました。全体的に、ICReDDはメンバーが互いに協力し、高度な研究を行うためのアイデアを共有するフレンドリーな場所だと感じました。
勝山 彰(北海道大学 助教、日本)
私はMANABIYAにおいてAFIR法を用いた励起状態の反応経路探索について学びました。この経験の中で、励起状態における構造探索の課題について理解するとともに、AFIR法がこの課題に対して極めて強力な計算手法であることを感じました。論文で発表した理論的な部分は、本手法があってはじめて議論することができました。現在は学んだ内容を利用して、新たな分子を見出すべく研究を続けています。原渕先生、前田先生をはじめとするICReDDのスタッフの方には、有機合成が専門である私に対して、計算化学の研究がスムーズに進むよう多大なご助力を頂きました。この場をお借りして感謝申し上げます。
FY2022
プチェッティ・フランチェスコ(アーヘン工科大学 博士課程(当時)、ドイツ)
インタビューにてMANABIYAで海外から日本に来る経験について語っていただきました。(英語のみ)
FY2020
田所 朋樹(北海道大学 学部生、日本)
MANABIYAシステムに参加することで、AFIR法を用いた量子計算手法を習得することが出来ました。これにより、実験では追跡不可能であった構造変化メカニズムや中間体の構造を解明することができました。指導して頂いた前田理教授、原渕祐助教、そして指導担当学生の皆様に心から感謝申し上げます。
西部 駿(早稲田大学 修士課程学生、日本)
I was a novice with little experience in computational chemistry, however, Prof. Maeda and the members of his group taught me very kindly. Also, the members of Prof. Mita’s group, which is in the same organic chemistry group as my laboratory, were very kind to me. In the end, I was able to submit my paper, which was my goal, and I had a very enjoyable time.
小島 正寛(北海道大学 助教、日本)
In the summer of 2020, this project was under peer review. Although requested by one of the reviewers, I had a hard time figuring out the elusive transition state of the reaction. Fortunately, I joined MANABIYA at that very moment. I learned the strategic application of AFIR in elucidating the reaction pathway, and thanks to Prof. Maeda and everyone in ICReDD, the requested revisions were finished with success.
FY2019
吉野 達彦(北海道大学 講師、日本)
In the MANABIYA program, I learned how to use GRRM for computational mechanistic studies on organic reactions, and now I can routinely use GRRM for my research projects. Moreover, the opportunity to interact with professional computational chemists, organic chemists, as well as data scientists in ICReDD was very helpful for me to expand my research vision.